技術記事
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ハンズフリー通話システムにおけるマイク設計の重要ポイント:アレイ配置から気密・防振対策まで

2020年の世界的な新型コロナウイルス感染拡大により、各国企業は相次いで在宅勤務体制を導入し、間接的にスピーカーフォン製品の出荷量増加につながった。これにより、多くの新規企業がこの市場に参入し、製品開発に注力するようになった。
民生電気製品の開発期間は非常に短いため、RD(研究開発)部門はマイクとスピーカーの音響機構設計や音質調整に多くの時間を費やし、音響ラボでの微調整を頻繁に行う必要がある。音響部品設計のポイントを理解していない場合、製品の市場投入時期を逃すことになりかねない。
特にマイクは高感度音響部品であり、空気中の微小な音声信号を捉える一方で、製品上のスピーカー振動や機構から生じる伝導共振・高調波歪みも拾う。これらの非線形信号はDSPによるAEC信号処理を妨げ、エコーを顕著化させるため通話品質が低下し、通話が不可能となる。
したがって、デュプレックスハンズフリー通話製品におけるマイク設計の注意点は以下の通りです:
1. マイクアレイ:
2~8個のマイクで構成されるマイクアレイを、DSPおよびビームフォーミングアルゴリズムと組み合わせることで、遠方音声の拾い上げとノイズ低減を実現し、通話品質を向上させます。図1参照

図1 人間の両耳は音源の方向を識別できるため、2つのマイクで指向性集音を実現。
2. マイク感度と周波数特性(Fr):
マイクアレイの各マイクの感度と周波数特性(Fr)は、±1dB以内に収まることが理想的です。これによりDSPの信号処理における偏差を低減できます。また、集音チャンネル構造の総長は5mmを超えないことが望ましく、マイクチャンネルの共振周波数が12kHz未満になるのを防ぎます。図2および図3参照

図2 マイクロフォン周波数応答マッチング

図3 マイクロフォン用ゴムホルダーとベゼル
3. マイク位相:
マイクアレイの各マイク位相は、できるだけ近づけることが望ましい。理想的には±5°以内に収めることで、DSPが信号演算を行う際の時間偏差を低減し、ビーム特性と指向性の正確性を確保できる。図4参照

図4. マイクロフォン位相マッチングテスト
4. マイクゴムホルダーのシール性:
マイクラバーホルダーとベゼル間のシーリングは確実に実施し、遮音分離度は最低20dBSPL以上を確保すること。これにより、製品内部のスピーカー音源がラバーギャップからマイクの集音経路に侵入するのを防止する。図5aおよび5b参照

図5a. マイクロフォンラバーホルダーとベゼルのシール状態。

図5b スピーカー再生とマイク録音、マイク気密性周波数特性テスト
5. マイクとスピーカーの位置関係と防振:
スピーカーの拡声とマイクのAEC信号処理を考慮し、スピーカーは通常中央に配置され、マイクはスピーカーから離れた周囲に配置される。マイクは防振と気密のためにゴムを使用する必要がある。ボックススピーカーと筐体の接触面及びネジ穴にはスポンジとゴムホルダーによる防振処理を施し、マイクがスピーカーからの共振伝導によるTHD信号を拾い、AEC効果を低下させるのを防ぐ。図6a及び6b参照

図6a マイクとスピーカーの位置・距離

図6b マイク気密性・スピーカー再生・マイク録音によるTHDテスト
製品開発初期段階で上記注意事項を遵守し、さらにAudio Codec Design Guideの推奨設計に従えば、基本的にデバッグ時間を大幅に短縮でき、製品の期日通りの市場投入が可能となる。
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Refer to the relevant acoustic components
Please click https://www.kingstate.com.tw/application/33

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